WIPO標準ST.26への移行について

我が国の特許出願に添付する塩基配列及びアミノ酸配列の作成に関する配列表の形式は、2022年7月11日以降、WIPO標準ST.25からWIPO標準ST.26に移行される。新形式の特徴は、xml形式すなわちタグを用いて階層構造で表現する点であり、国際的な配列データベース(INSD)の要件と合致させること等を目的としているようである。

これに関連し、WIPO(世界知的所有権機関)は、WIPO Sequenceと呼ばれるツールと、WIPO Sequence Validatorと呼ばれるウェブサービスを提供する。WIPO Sequenceを用いれば、ST.26に準拠した形でアミノ酸やヌクレオチド配列のリストを作成することが可能となる。また、WIPO Sequence Validatorと呼ばれるウェブサービスを用いれば、特許出願の代理人は、配列表がWIPO ST.26に準拠しているかどうかを検証することが可能とのこと。

出願代理人の実務という視点でみると、これまでは配列表を添付(デジタルデータへのリンクを記載する)だけでよかったが、今後は配列表を添付することに加えて、新形式に準拠したものであるかチェックすることも必要になると思われるので注意が必要である。

(2022/7/19追記)インターネット出願ソフトの最新版にアップデートすればチェックしてくれるようである。

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特許庁ウェブサイト「塩基配列及びアミノ酸配列の作成に関するWIPO標準ST.26への移行について」
https://www.jpo.go.jp/system/patent/shutugan/bio/gene/enki_amino_wipo.html
WIPOウェブサイト「WIPO Sequence Suite及びWIPO Sequence Validator」について
https://www.wipo.int/standards/ja/sequence/index.html