ミャンマーの商標法施行(グランドオープン)の現状について

ミャンマーは2001年にWIPOに加盟しましたが、刑法上の商標の定義規定を除き、商標登録に関する規定は存在していませんでした(※1)。その後、商標法制定(※2)の動きがあり、2020年10月1日から新法施行日までを”ソフトオープニング期間”とし(※3)、2021年1月2日から商標法が初めて施行(”グランドオープン”)される予定でした。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、昨年の時点で施行日が2021年4月1日に延期されることが決まっていました。

さらに、報道されているとおり、2021年2月1日に軍部が権力を掌握し、1年間の緊急事態を宣言しました。現地代理人からの報告によると、軍部は前政権のプロジェクトを支持しているものの、政府職員の大半は市民的不服従運動(抗議デモ)を展開し、出勤しておらず、そのため、各省庁の仕事は正しく機能していないとのことです。

ソフトオープニング期間中にはミャンマー国内で現に使用されている商標及び現行制度の下で商標登記されている商標に対して「再出願」が認められ、既存の商標の使用を既得権として引き続き保護できることになっています。しかし、政情が上記のとおりですので、直ちに必要な手続を進めることは難しいと思われます。何より、現状の深刻な事態が人道的見地に立ち建設的な方法で速やかに解消されることを望んでいます。

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※1 現行の制度は登記所において”商標登記”が可能でしたが商標登録とは異なるものです。
※2 新法は、実体審査ありの付与前異議申立制度:
「(1)出願→(2)方式審査→(3)実体審査→(4)異議申立公告(公表日から60日間)→(5)登録」です。
※3 商標登記していなくてもミャンマー国内で使用していれば優遇措置を受けられるとのこと。