機械・構造物に関する特許明細書について

2020.07.11 

機械・構造分野の明細書は、他の技術分野と比べて「図面」の重要性が高い。特許図面は基本的には正確であるほどよいが、説明に不要な部分は省略できる点で、製図とは少し観点が異なる。中心線や補助線などは不要であるし、ハッチングのルールなどもあるし、参照符号を見やすく配置することも重要である。線の太さ、点線と破線の区別など、考慮すべき事項が数多くある。全体図、各部(パーツ)の図、組立図、分解斜視図、部分拡大図、動作原理図、従来の構成を示す図など、発明を説明するために必要不可欠な図面を適切に配置する。CADデータがあればそれをベースに加工し、何もなければ一から作図する。当職の場合、機械系の明細書については図面の作成に多くの時間を割く。クレーム(請求項)よりも先に図面の作成することも少なくない。発明の課題解決原理を念頭におきつつ、図面を見ながらクレームの文言を考える。万一、明細書に不明瞭な文言が記載されていても、正確な図面が添付されていればそれを根拠に補正できる場合もある。将来、進歩性が認められなかった場合に意匠登録出願に変更する可能性があるのであれば、六面図や斜視図を予め含めておく。機械系の明細書では、符号の説明(符号につける各部の名称:「○○部」の○○に入る文言)が専門用語とは限らないため、恣意的なものにならざるを得ない場合があるが、できるだけ適切な用語をあてるように努めている。外国出願を念頭に置く場合、その国の実務を考慮しつつ翻訳しても理解可能な名称が好ましい。

さらに、近年は様々な技術分野の知識が複合的に要求される出願が増加しているので、例えばベースが機械系の明細書であっても電気(電子)で制御される部分があれば制御系については電気系の明細書を作成する要領を考慮する必要があるし、化学反応を伴う部分があれば化学系の明細書を作成する要領を考慮する必要がある。