最もシンプルな特許文献の活用法

2020.07.25 

特許文献はインターネットを通じて無料公開されている技術文献である(※1)。これは、一部の専門家のためだけのものではなく、普段の生活においても実に有益な情報源である。例えば、目新しい商品やサービスについて興味を持ったとき、当職の場合、商品やサービスの説明だけでなく、特許文献をチェックしてみることも少なくない。インターネットや包装、カタログ等には商品説明、原理説明等が分かりやすく説明されているが、それだけでは、客観的に発明全体を詳細かつ正確に把握することはできない。これに対して、特許文献は、背景技術から解決すべき課題、解決手段、発明の実施形態(実施例)まで、全てが一定の様式に従って詳細に記述されている。競合する別方式などが存在することが分かることもある。出願経過を調べ、拒絶理由通知や拒絶理由で引用された文献、それに対する手続補正書や意見書に目を通すこともある。別方式にも一長一短があるなど、いろいろと知ることができてとても参考になる。”特許取得”と書かれているが実際に調べると実用新案登録であったり、権利がはるか昔に満了していたり、日本では拒絶され、米国特許しか取得できていなかったり、取得されている権利範囲は必ずしも商品をカバーしていなかったり、という場合も珍しくない。逆に、これは確かな技術に裏打ちされたすばらしい発明であると感銘を受ける場合もある。或いは、会社ごとに製品に対するこだわりの強さやこだわりのポイントの違いに気づくこともある。

時間とコストをかけて高度な特許情報検索をすれば、企業の開発動向やM&A或いは技術提携先の判断資料として役立つ資料を作ることも可能であるが、純粋に個々の特許文献を具体的な技術情報源とすることは、特許文献の最もシンプルな活用法の1つであるといえる。

 

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※1 J-Platpat(特許情報検索サイト)
https://www.j-platpat.inpit.go.jp