早期審査事情説明書(特許)

2008.10.22 

特許出願が初めてというクライアントさんから、よく「特許を取るまでどのくらい期間がかかりますか?」と聞かれる。出願審査請求期間が3年であることを伝えた後、現状の審査では技術分野にもよりますが平均で2~3年かかりますと答えて驚かれる。確かに遅い。審査請求期間が7年から3年に短縮化された際に出願審査請求の期限が旧制度と重複することになったため、審査順番待ち件数のピークが2008年に到来するという(参考資料1)。任期付き職員を大量採用して対処するとしているが、同時に審査の質が十分に維持されることを希望するばかりである。
ともあれ、審査順番待ち期間がこのような現状においても、「早期審査事情説明書」を提出することにより、審査期間を大幅に短縮することが可能である。当事務所では、クライアントさんへの情報提供として、「早期審査事情説明書の提出」と「面接審査」が有力特許の早期権利化に極めて有効であることをお伝えしている。これらを組み合わせると、出願審査請求から早いもので3,4ヶ月、PCTから国内移行した場合など多少遅くなる場合でも10ヶ月程度で、オフィスアクションが届き、うまくいけばその後1,2ヶ月で特許査定となる。特許権の存続期間は出願日から20年であるので、残存年数が増大し、特許権の価値が高められるという効果が期待される。(特許の価値評価では権利の残存年数も重要なファクターである。)

なお、早期審査対象出願となりうるのは出願審査請求がされていること、みなし取下げが予定されていないことに加え、以下の3つの場合である。以下は参考資料2の引用。

「(1)中小企業、個人、大学、公的研究機関等の出願
その発明の出願人の全部又は一部が、中小企業(*2)又は個人、大学・短期大学(*3)、公的研究機関(*4)、又は承認若しくは認定を受けた技術移転機関(承認TLO又は認定TLO)(*5)であるもの。(大企業との共同出願の場合には、早期審査の事情説明書の記載要件が一部異なります。詳細は12~13ページ参照。)
(2)外国関連出願
出願人がその発明について、日本国特許庁以外の特許庁又は政府間機関へも出願している特許出願(国際出願を含む)であるもの(以下、「外国関連出願」という。)(*6)。
(3)実施関連出願
出願人自身又は出願人からその出願に係る発明について実施許諾を受けた者が、その発明を実施(*7)している(「早期審査に関する事情説明書」の提出日から2年以内に実施予定の場合と特許法施行令第三条に定める処分(農薬取締法における登録、薬事法における承認)を受けるために必要な手続(委託圃場試験依頼書、治験計画届書の提出等)を行っている場合を含む。)特許出願であるもの(以下、「実施関連出願」という。)。」

詳細は下記ウエブサイトを参照のこと。

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(参考資料1)「特許審査迅速化の中・長期目標を達成するための実施計画の実施状況」
http://www.jpo.go.jp/torikumi/zinsoku/pdf/h18zinsoku_plan/02_siryou.pdf
(参考資料2)早期審査・早期審理ガイドライン
http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/souki/pdf/v3souki/guideline.pdf