京都の弁理士は何人?

2020.06.14 

「京都に弁理士は何人いるのですか?」という質問をしばしば受けるが、正確な人数を調べたことがないため、いつも分かりませんと答えていた。つい先日も聞かれ答えられなかったので、思い立って弁理士ナビ(注1)で調べてみた。本日(2020年6月14日)現在、京都府下で登録されている弁理士(自然人)は、「327人」。京都市だと253人。これを多いとみるか少ないとみるか。他の士業と比べると少ないかも知れないが、100人にも満たなかった時期が長く続いたことを考えると、個人的にはかなり増えたという印象である。もっとも、京都府下の企業内弁理士や、京都府外に本部事務所を持ちつつ、京都府下に『従たる事務所』を登録している弁理士が含まれている。ちなみに、「侵害訴訟代理経験あり」かつ「審決取消訴訟代理経験あり」で絞り込むと、当職を含めて29人。「知的財産仲裁センターの調停・仲裁経験あり」で絞り込むと当職を含めてわずか3人とのこと。

これからは、「327人です。」と答えられる。

ちなみに、当職(当事務所)は「東京都港区」に『従たる事務所』を登録しているので、東京都港区の弁理士(特許業務法人)にもカウントされている。

ついでに興味本位で調べてみると以下のような結果となった。

「東京都」の弁理士の数は、7489人、「東京都港区」では、1735人。「大阪府」では、2054人。日本全国の登録弁理士の数は、弁理士ナビでは調べられなかったが、代わりに 日本弁理士会の統計(注2)を見つけた。直近のデータ(2020年4月30日現在)によれば、11,600人(自然人)。特許業務法人が307。京都府に本部事務所を登録している特許事務所の数は261、京都府下の従たる事務所の数は57、である。

当職は2000年11月に弁理士登録したので、今年はちょうど弁理士登録20周年にあたる。記憶が確かであれば、当職が弁理士登録した直後の登録弁理士数は、日本全国でもせいぜい4500人未満だったので、この20年で2.5倍以上に増えた計算となる。

本題から外れるが、20年前の年間特許出願件数は少なくとも40万件以上あったが、最新の特許庁の統計(注3)によると、2018年度は31万件と減少傾向にある。PCT出願件数は増大しているが国内出願件数は減少傾向という。これだけみると、人数が倍増しているのに出願件数が4分の3に減っているのだから、さぞ弁理士は仕事が減っているだろうと思われるかも知れないが、実は逆である。弁理士の業務範囲は特許出願だけでなく、実用新案出願・意匠出願・商標出願業務、調査・鑑定業務、異議申立・審判及び審決取消訴訟業務、知的財産権をめぐる民事訴訟の補佐人業務といった従前から存在する業務に加えて、現在は、国際登録出願、著作権(契約業務)・不正競争防止法(契約・訴訟業務)・知財価値評価・知財流通業務・民事訴訟の代理人(付記登録弁理士のみ)、ドメイン紛争事件、原産地表示(GI)、種苗法、税関への輸入差止手続と、取扱業務の幅が広がっている。 平成26年度改正弁理士法(注4)では弁理士の職責条項が追加されるなど、業務範囲は拡大する一方である。

事実、当事務所においても、業務全体に占める(わが国特許庁への)特許出願業務の割合は、それほど高くない。調査・鑑定業務、紛争解決業務、意匠/商標業務や外国特許庁への出願業務もあるし、外国のクライアントから日本で知的財産権の取得や権利行使、FTO調査(Freedom to Operate Search;侵害予防調査)や審判請求事件などの依頼を受けることも多い。その他、国内外での著作権登録、知財流通に関する相談などもある。つい先日も外国企業から、当事務所で扱った、現地代理人を通じてその国で登録した知的財産権を譲り受けたいという申し入れがあったばかりで、現在条件について交渉中である。解決に数年かかることも珍しくない知的財産権をめぐる民事事件や相談案件は、訴訟に至る前の事件も含めると年間を通じて常時1~5件程度は抱えている。輸入差止、種苗法、原産地表示(GI)関係など、未経験の業務もあるが、相談があればいつでも対応できるように準備している。弁理士は、その社会的責任の重さを従来にも増してしっかりと受け止める必要があると思う。

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注1) 弁理士ナビ https://www.benrishi-navi.com

注2) 日本弁理士会 会員の分布状況 https://www.jpaa.or.jp/about-us/members/

注3) 特許庁 特許行政年次報告書2019年度 https://www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/2019/index.html

注4) 弁理士法 平成26年度改正の概要(ポイント解説) https://www.jpaa.or.jp/info/regal/弁理士法(平成26年4月25日成立)/