知財減税

2013.06.13 

昨日の日経新聞朝刊で、政府が「パテントボックス制度」の検討をはじめたと報じている。パテントボックス制度とは、知的財産権を活用して得た所得への課税を減税する制度であり、経団連などがかねて要望していたものであるという。他方、税制が複雑となり、租税回避に使われる懸念があるなどの問題があり、議論は曲折がありそうだと結んでいる。

パテントボックス制度は、「知的創造サイクル」を加速させる役割を果たすものいえる点では好ましいものといえるであろう。知財のライセンス収入は権利収入という側面が強い反面、その知財を生み出すために必要なコストや労力は計り知れないものである。大学で生まれた知的財産を活用することで大きな収入を得ていることで有名なスタンフォード大学のウエブサイトには、このような記載がある。
“ .. .. These figures suggest that we spend a lot of time and effort on many unproductive inventions while reaping significant income from only a small fraction of all inventions disclosed.”

(これらの数字が示すのは、開示された全ての発明のうちのほんの一部からは継続的で大きな収入が得られる一方で、われわれは多大な時間と労力を数多くの非生産的な発明のために費やしていることである。)

http://otl.stanford.edu/about/about_history.html

知財収入のトップクラスに位置する同大学の場合、15年間で3200件の開示があり、そのうちの22件が年間10万ドルを得ているという。割合にして僅か0.6875%である。我が国の場合、平均でみれば数字はもっと小さいであろう。知財減税によって知的創造サイクルを加速させることができればこの数字がもっと上がるかもしれない。