特許法第11条(代理権の不消滅)について

2010.08.20 

特許を受ける権利の持分を承継する手続を代理する場合の留意点としては、まず第1に、その承継の原因が一般承継(包括承継)であるか特定承継であるかを区別する必要がある。これによって費用や手続の書面が変わるからである。一般承継の具体例は、個人(自然人)であれば相続、会社(法人)であれば合併及び会社分割である。特定承継の具体例は譲渡(有償・無償を問わない)である。このとき、委任代理人の代理権が消滅するのか否かが問題となる。この点について、特許法第11条では、代理権の不消滅について次のように規定している。

第11条 手続をする者の委任による代理人の代理権は、本人の死亡若しくは本人である法人の合併による消滅、本人である受託者の信託の任務終了又は法定代理人の死亡若しくはその代理権の変更若しくは消滅によっては、消滅しない。

例えば、特許出願人Xが死亡して相続人Yが特許を受ける権利を承継する場合は、包括承継となり、この場合、手続をする者の委任による代理人の代理権は消滅しない(特許法第11条)。では、特許出願人である会社Xが会社分割により権利を会社Yに承継した場合はどうか。この場合、条文どおり解釈し、代理権は消滅する。よって、代理人は譲受人である会社Yから委任状をもらう必要がある。

会社分割を原因とする出願人名義変更手続を行う場合、商業登記簿謄本と承継証明書(特許を受ける権利の一部を承継するのか全部を承継するのかを照明する書面)を出願人名義変更届(一般承継)と共に提出すればよい。