知財流通

2009.02.07 

先日、松村修治弁理士による知財流通に関する日本弁理士会主催の研修会に参加した。知財流通の歴史、最近の法改正などを踏まえた国内の現状、また米国や中国などの最近の動きについてとても分かりやすく説明された。弁理士は知財流通にどうかかわっていくべきかという点について問題提起を含めて大変素晴らしい講演内容であった。

弁理士は知財評価について権利範囲の解釈や先行技術との対比からみた無効理由の判断などを得意とする一方、市場性などを考慮した権利の経済的価値についてはあまり得意とは言えないので、会計士、経営コンサルタントなど異業種の専門家との協力も含めて、知財の価値評価という分野にもっと積極的にかかわっていくことが社会的に望まれていると思う。小職は権利範囲の解釈や権利の有効無効に関する鑑定などについては比較的経験を持っているが、知財の価値評価については経験もないので、これについては今後の課題と考えている。

実を言うと、小職も一度だけ、広い意味での知財流通にかかわったことがある。といっても、銀行の融資担当者の方とその弁護士さんから、相談を受けただけなのであるが。特許権及び出願中の権利を担保とする融資に関する話で、譲渡担保や質権設定について、様々な質問を受けた。

特許権の登録事項は登録原簿に記載されていること、出願内容については、登録後のものは特許掲載公報に、登録前のものでも出願中のものは出願公開公報に記載されていること、出願経過の書類は包袋記録を取得することで入手可能であること、といった、一般的なことから、契約内容に関する具体的な事案についての詳細な内容(具体的には、譲渡担保等に関する契約書のチェックをして欲しいというので契約書を拝見させていただき、その場で、何カ所か問題点を指摘させていただいた。)まで含めて、2時間程度の打合せで終わった。

当初相談を受けたときは、内容によってはあまり経験もないことかも知れないので、お役に立てないかも知れないと断ったのだが、結果的には、特許法の一般的な知識で十分に対応可能なもので安心した。価値評価(例えば、その特許がいくらの市場価値を持っているのか)、といった内容であれば、小職一人では対応できなかったと思われるが、今後はこのような分野についても実務経験を積んでみたい。幸い、知財流通や価値評価については様々なところで研究がなされ、その研究成果が比較的容易に入手可能であるので、新規事業分野ではあるが、今後の課題としたい。

そのような意味で、今回の研修はとても参考になった。